ギリシャが財政破綻の危機に陥り世界を騒がせましたが、日本には2007年に353億円の赤字を抱えて財政破綻した北海道夕張市があります。
自分の住んでいる地域(市町村,自治体)が破綻すると「どうなるの?」と気になる人も多いのではないでしょうか。
日本も破綻の恐れがある地域に福島県楢葉町、宮城県多賀城市、神奈川県三浦市と続き札幌市、仙台市、川崎市、大阪市、北九州市があがり“待ったなし”とのことです。
破綻の恐れがある地域については、次の記事をお読みください。
全国に増える「夕張予備軍」
「夕張」は他人事ではありません。現在、経常収支比率ワースト1は福島県楢葉町の119.9%。夕張市が破たんした年とピッタリ同じです。2位に宮城県多賀城市の112.9%、3位に神奈川県三浦市の108.4%と続きます。
大都市なら安泰とは限りません。札幌市94.3%、仙台市96.5%、川崎市99.4%、大阪市101.9%、北九州市97.7%と、待ったなし。不景気のせいで税収が減り、生活保護費が増え、高齢化によって医療費や介護費がかさんでいるためです。今は比較的良好な市町村も、高齢化が進めば一気に貧困自治体に転落する怖れがあります。
財政破綻の恐れがある地域が日本にも存在するとこがわかりました。次は夕張市の破綻後の状況を紹介していきます。あなたの住む市町村も財政破綻すると、こうなる恐れがあります。
目次
財政破綻すると財政再生団体になる
日本では北海道夕張市が財政破綻していますが、夕張市は破綻して財政再生団体になりました。地域が破綻すると、下記の財政再生団体になります。
財政再生団体とは(デジタル大辞泉の解説)
財政状況が著しく悪化し、国の管理下で再建に取り組む地方自治体のこと。自治体財政健全化法に基づき、実質赤字比率・連結実質赤字比率・実質公債比率のいずれかが一定の基準を超えると財政再生団体に指定される。地方自治体の一般会計だけでなく、地方公営企業や第三セクターなどの経営状況も加えて判断される。従来の地方財政再建特別措置法に基づく財政再建団体に代わるもの。→財政健全化団体
財政再生団体になると、国の管理下で再建に取り組むことになります。
破綻すると住民が借金を返済する
国の管理下での再建は、地方が住民から税金を徴収する場合と比べて厳しくなります。地方の借金も住民が負担して返済するため、税金はこれまでの金額に増税され、生活に重くのしかかるようになります。
北海道夕張市の破綻後の状況です。
破綻するとここまで変わる
破綻すると今まで当たり前で、空気のようなものだった「行政」を嫌でも意識します。最近、千葉市が2月からごみの収集を有料化し、1リットルあたり0.8円にすることを決めました。住民からは「生活できない」と苦情が殺到したそうです。このごみの収集、実は夕張ではその倍以上の1リットルあたり2円です。
生活に絶対必要な水も、私が東京にいたころ住んでいた目黒区の水道料金と比べると、倍くらいです。軽自動車は、コストが安く若い世代に魅力的な移動手段のひとつです。軽自動車の税金は自治体ごとに決められるのですが、夕張では破綻後に1.5倍になりました。
生活をしていれば徴収される市民税や道民税も、法律である程度上限があるとはいえ、ほかの自治体より上乗せされました。日本で一番高い設定になっています。
それだけではありません。仕事が終わったあと同僚とフットサルでもやろう、と施設を借りるとします。仮に利用料が今まで100円だったとしましょう。全国で同じ規模のフットサルコートが300円だとわかれば、夕張は破綻した自治体なんだから300円にしましょう、と施設利用料をあげられる。割安と思われるような料金はすべて高いところに倣って、上げられるのです。夕張は「全国で最高の負担、最低の行政サービス」といわれました。何も恩恵はなく、負担だけが増えたのですから当然でしょう。※記事の続きは出典(以下)のリンクより読めます
出典:「財政破綻」は実際にどういうことなのか 夕張市長 鈴木直道(1)
“住民からは「生活できない」と苦情が殺到した”そうですが、税金の住民負担が生活に重くのしかかったことがわかります。
あなたのまちも財政破綻すると、生活に税金が重くのしかかるようになります。
地方公共団体の財政の健全化
現在、北海道夕張市のような財政破綻を防止するため、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」が施行されています。法律の内容等については、下記のとおりです。
「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」とは?
国民の暮らしを担う地方公共団体は今、健全な財政を維持する経営の能力が問われています。しかし、一部の自治体の著しい財政悪化が明らかになったように、従前の制度では事態が深刻化するまで状況が明らかにならないという課題がありました。地方公共団体の財政状況を統一的な指標で明らかにし、財政の健全化や再生が必要な場合に迅速な対応を取るための「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」(「健全化法」)が平成21年4月に全面施行されました。
地方公共団体の財政の健全化の状況について総務省の報告がありますので詳しくは以下のリンクよりご覧ください。
このように北海道夕張市のような財政破綻を防止する法律があります。次は先ほどの総務省の報告より作成してあるサイトを紹介します。
自治体ランキング
総務省が実施している地方財政状況調査(決算統計)の集計結果に基づき、各都道府県・市区町村の各種決算状況をランキングしているサイトがあります。
自分の住んでいる地域の財政が「どうなっているのか?」ランキングでわかります。この機会に以下のリンクより、あなたのまちの状況を調べてみてはどうでしょうか。
あなたの住む市町村,自治体は大丈夫でしたか?
このようなサイトがあると、わかりにくい状況が一目でわかるので大変便利だと思います。
日本の財政破綻-日本の借金について
これまで自治体が破綻する事実を目の当たりにしてきましたが、日本の国も破綻するとの噂があります。
地方と同じように、日本の国も借金が多くなると「本当に財政破綻してしまうのか?」と、疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。麻生氏の説明をご覧ください。
これまでの話から考えると、都道府県や市区町村は財政破綻しても、日本の国は破綻しないことになります。ただし、かつて日本が世界一を誇っていた時代が終わっていることは世界の人たちも知っています。
日本は少子高齢化問題などがあるので、国の競争力が衰えていくことも世界の人たちは知っています。世界からの信用がいつまで持つかわかないことも、私たちは考えておく必要があると思います。
次は論文等があるのでお読みください。
財政破綻に関する論文等
財政破綻に関する小論文やレポートなどは下記より閲覧できます。
まとめ
経常収支比率ワースト1は福島県楢葉町、2位に宮城県多賀城市、3位に神奈川県三浦市と続き札幌市、仙台市、川崎市、大阪市、北九州市と、待ったなしの状態でした。
実際に財政破綻した北海道夕張市の状況から、住んでいる地域が破綻すると、住民から「生活できない」と苦情が殺到するほどの税金が課されることもわかりました。
現在、第二の夕張市を出さないために「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」が施行されていましたが、地方公共団体の財政の健全化の状況や自治体ランキングより、自分の地域のこともわかりました。
自分の住んでいる地域を調べてみた人は、新しい発見もあったのではないかと思います。
今後も人口減少問題が、地方の財政を苦しめることが予想できます。
これからの自治体は、さらなる健全化を図っていくことが課題になっていくと考えられます。
人口減少問題については、下記リンクよりお読みください。