地方衰退の原因と政策-日本の挑戦するまちと消えゆくまち

社会問題一覧

平成の大合併一覧によると、平成11年にあった3,232市町村が平成26年に1,718市町村となっています。

平成の大合併で、実に1,514市町村が統合または廃止となったのですが、これだけのまちが日本から消滅した事実でもあります。

統合または廃止された市町村のみなさんは、それぞれに故郷への思い入れもあるかと思いますが、多くのまちが合併した本当の理由を知っていますか?

地方衰退の原因と政策、日本の挑戦するまちと消えゆくまちについて紹介していきます。お住まいの地域のことを考えながら読んでもらえると、地方衰退について深く考える機会になると思います。

地方衰退と地方創生からみていきましょう。

地方衰退と地方創生(地域活性化)

地方衰退とは、地方の勢いや活力が衰え弱まることです。

地方衰退は、地域から人が減り、地方経済が衰退し、仕事が減り、まちが衰退する地域経済の悪循環が続くことで起きます。地方(地域)の勢いや活力を取り戻すために地方創生(地域活性化)がおこなわれています。

地方衰退は自業自得(地方衰退の責任は100%地方にある)」とも言われ、まちの住民が真剣に取り組まなければ、地域を活性化するのは難しい面もあります。全国一律で同じ施策をおこなうのではなく、地域に合った活性化が求められています。

地方が衰退する原因について少し詳しくみていきます。

地方衰退の原因

地方衰退の原因は人口減少問題ですが、人口減少問題が進行すると地域の税収が減り、地方は財政破綻を起こすこともあります。

人口減少問題と財政破綻については以下を読んでください。

▶ 人口減少問題:地方消滅-人口減少の影響で消える市町村-896自治体一覧

▶ 財政破綻:財政破綻どうなる?あなたの住む市町村,自治体は大丈夫?

地方衰退と地方創生(地域活性化)が深く関係していることがわかります。冒頭で出てきた平成の大合併も深い関係があるので、次は平成の大合併を紹介します。

平成の大合併

平成の大合併は、人口減少・少子高齢化等の社会経済情勢の変化や地方分権の担い手となる基礎自治体にふさわしい行財政基盤の確立を目的としておこなわれきました。

目的となった“行財政基盤の確立”は、財政、つまりお金のことです。財政基盤のポイントを中小企業庁が掲載していますので、以下(出典のリンク)よりお読みください。

財務基盤強化のポイントは、「自己資本を充実すること」「その源泉となる利益を生み出すこと」です。

出典:財務基盤強化のために押さえておきたいツボ

7 4 .5%の市町村が合併した理由

市町村が合併した理由は「財政状況」(下図)となっており、全国7 4 .5%の市町村に財政の問題があったことがわかります。

「平成の合併」について-市町村が合併した理由

出典:▶ 「平成の合併」について-p5

※平成の大合併について詳しく知りたい方は以下の資料を読んでください。
市町村合併資料集-総務省

平成の大合併は、国が地方にお金を補助することで、財政の安定(行財政基盤の確立)を図る政策でした。

平成の大合併と地方衰退も深い関係にあったことがわかります。

平成の大合併でおこなわれた行政改革

平成の大合併でおこなわれていた市町村は下記のよう行政改革をおこないました。

▶ 平成の大合併 夢はいずこへ

合併をせずに行政改革をおこなった根本良一前町長の話を紹介します。

▶ 福島県矢祭町長 根本良一さん Q地方自治、どうあるべきですか?

紹介した記事の中で、矢祭町の行政改革を行った根本良一前町長は次のように答えています。
「住民のため、郷土のためだけを考えていれば何ら問題ない。すべての判断基準をそこへもっていけばいい。」

今、この矢祭町がどうなっているのか知りたい方は以下のリンクより閲覧してください。
▶ 現在の矢祭町(町の財政一覧)

福島県矢祭町は公務員削減や議員を日当制にするなどの行政改革を平成の大合併の時におこないました。記事を書いている現在も改革を続けながら矢祭町は存続しています。

現在おこなわれている人口減少問題を解決するための政策について紹介します。

人口減少問題を解決するための政策

先に紹介した記事(人口減少問題:地方消滅-人口減少の影響で消える市町村-896自治体一覧)より、人口減少問題での課題は、一極集中を緩和することにありました。

人口減少問題を解決する対策は、地方を活性化して人口流動をゆるやかにすることで極点社会を防止することになります。

政策は地方創生のまち・ひと・しごと創生本部で政策会議が行われており、次の原則となっています。

まち・ひと・しごと創生に関する政策を検討するに当たっての原則
まち・ひと・しごとの創生に向けては、人々が安心して生活を営み、子供を産み育てられる社会環境を作り出すことによって、活力にあふれた地方の創生を目指すことが急務の課題である。
このため、地方において、「しごと」が「ひと」を呼び、「ひと」が「しごと」を呼び込む「好循環」を確立することで、地方への新たな人の流れを生み出すとともに、その「好循環」を支える「まち」に活力を取り戻すことに取り組むこととしている。
この観点から、今後の検討にあたっては、以下の原則に即した政策を整備するよう徹底をはかる。

(1) 自立性(自立を支援する施策)
地方・地域・企業・個人の自立に資するものであること。この中で、外部人材の活用や人づくりにつながる施策を優先課題とする。

(2) 将来性(夢を持つ前向きな施策)
地方が主体となり行う、夢を持つ前向きな取り組みに対する支援に重点をおくこと。

(3) 地域性(地域の実情等を踏まえた施策)
国の施策の「縦割り」を排除し、客観的なデータにより各地域の実情や将来性を十分に踏まえた、持続可能な施策を支援するものであること。

(4) 直接性(直接の支援効果のある施策)
ひと・しごとの移転・創出を図り、これを支えるまちづくりを直接的に支援するものであること

(5) 結果重視(結果を追求する施策)
プロセスよりも結果を重視する支援であること。このため、目指すべき成果が具体的に想定され、検証等がなされるものであること。

この原則に基づき、まち・ひと・しごと創生法案ができており、次の概要となっています。

まち・ひと・しごと創生法案の概要

まち・ひと・しごと創生法案の概要

概要から地方創生には、全閣僚の参加、都道府県・市町村の参加することがわかります。地域おこし(地域活性化・地域振興・地域づくりなど)を中心として、その他の対策とあわせ包括的に支援するようになっていくと思われます。

地方創生の最新情報については下記よりご覧ください。

▶ 地方創生の最新情報

地方創生とは、いわゆる地域活性化ですが、挑戦している地域の事例を紹介します。

地域活性化に挑戦するまち

地域活性化に挑戦しているまちの事例として海士町の動画と資料をご覧ください。

▶ 地域資源を活用したまちづくり(島根県海士町)

海士町が挑戦するためにおこなった財政改革が地域活性化に勢いをつけています。

地域活性化のポイント

海士町がおこなった財政改革は、平成の大合併で矢祭町の行政改革を行った根本良一前町長の改革と類似点がありました。無駄な支出を削減することで、地域の改革に必要な財源を確保していました。

中小企業庁が掲載してた財務基盤強化のポイントの「自己資本を充実すること」「その源泉となる利益を生み出すこと」を行った改革と言えます。

財政改革とワンセットにして地域活性化に取り組んだほうが、効果的なことがわかります。

地域活性化のポイントは、財政改革により源泉を確保し、利益を生み出すことで、自己資本を充実していくサイクルをつくることにあります。

地方衰退で消えゆくまち

地域活性化に挑戦するまちの事例から、衰退していくまちでも活性化できることがわかりました。しかし日本には活性化できない地域もあります。

廃村になる地域です。人口減少によって地域から人がいなくなり、最後は廃村に至ります。平成元年に廃村となった村の動画をご覧ください。

ほかの廃村に関する動画は下記リンクよりご覧ください。

▶ 廃村に関する動画

地方衰退は、廃村という形で、私たちのまちを消し去っていきます。廃村になるような地域は、どうやっても活性化できません。

先ほどみた動画のように、記録を残すことで、人々の記憶の中に生きていく道を模索するなどの対策が必要になります。

次は論文等があるのでお読みください。

地方衰退に関する論文等

地方衰退に関する小論文やレポートなどは下記より閲覧できます。

▶ 地方衰退論文
▶ 地方衰退資料
▶ 地方衰退図書1 ▶ 地方衰退図書2
▶ その他レポート等

まとめ

地方衰退の原因は人口減少でしたが、政策として地方創生(地域活性化)をおこなっていることがわかりました。

平成の大合併における合併の理由から、全国7 4 .5%の市町村に財政の問題があったことががあったことがわかりました。

平成の大合併の結果から、国から地方に金銭的な支援をしても効果がないこともわかりました。

矢祭町では行政改革による補助金に頼らないまちづくりがおこなわれていました。

地域活性化に取り組んでいる海士町も財政改革をおこない、同時に起業支援など政策を行うことで、島外からの人を増やし、仕事を創出していました。

矢祭町と海士町の事例から、財政改革が地域活性化に効果があることもわかりました。

廃村になる地域の場合は、活性化できないため、記録を残すことで人々の記憶の中に生きていく道を模索するなどが考えられました。

地方衰退を改善する地域活性化は、財政改革による財源確保と、それぞれの地域に合った施策を行っていくことが大事でした。